財産権の侵害が特定の人を対象としており(形式的要件)、2. 侵害が受忍限度を超えて財産権の本質に及ぶものである(実質的要件)、に従って補償の必要な場合を判断している。 実質的要件説は、まず、特別犠牲説の2. にいう受忍限度を超えた侵害である場合には補償を必要とし、そうでない場合は、その財産権の本来的な機能とは別個の価値基準に立った規制である場合にはやはり補償を必要としている。 補償の内容 [ 編集] 「正当な補償」の内容としてどの程度が必要とされるかについては、完全補償説と相当補償説の対立がある。 完全補償説は、補償の内容は当該財産権の市場価格に従うべきであるとする。相当補償説は、補償の内容が市場価格を下回るものであっても、合理的な額であれば許容されるとする。 もっとも、完全補償説と相当補償説の対立は、いかなる場合においても対立すべきものであるというよりは、場合に応じて使い分けられるべきものだといえる。すなわち、原則として市場価格を下回る価格での犠牲を強いるのは不合理であるから、特段の事情のない場合は完全補償が行われるべきであるが、例外的に、経済体制が根本的に変動するような事態(戦後の農地改革など)に際しては相当補償で足りると考えられる。 ただ、問題となるのは公用収容が財産権の制限にとどまらず、生活や職業にも犠牲を強いる場合である。立ち退きによって店舗の移転や、引越しを余儀なくされる場合がこれにあたる。このような場合、生活基盤の再建に要する費用も29条3項の「正当な補償」に含まれるとする説と、生活の保障は25条の生存権の問題だとする説とが対立している。
著者の原点たる戦後10年の論考を集成 日本ナショナリズムは,なぜ超国家主義(ウルトラ・ナショナリズム)へと突き進んだのか? 敗戦の翌年,日本軍国主義の精神構造に真っ向から対峙し,抑圧が下位に移されていく「抑圧委譲の原理」,それゆえの「無責任の体制」などを鋭く指摘し丸山の名を一躍高めた表題作.他に,冷戦下でのマルクス主義再検討など,著者の原点たる戦後10年の論考を集成. 凡例 Ⅰ 日本のファシズム 超国家主義の論理と心理 日本ファシズムの思想と運動 軍国支配者の精神形態 Ⅱ 戦後世界の革命と反動 ファシズムの現代的状況 E・ハーバート・ノーマンを悼む 「スターリン批判」における政治の論理 反動の概念――ひとつの思想史的接近 Ⅲ 現代世界への基礎視角 ナショナリズム・軍国主義・ファシズム 現代文明と政治の動向 注 解題 解説(古矢 旬) 書評情報 朝日新聞(朝刊) 2018年5月12日 毎日新聞(朝刊) 2015年12月13日 週刊読書人 2015年12月11日号 學鐙 2015年夏号
ホーム > 和書 > 文庫 > 学術・教養 > 岩波文庫 内容説明 明治以降の日本のナショナリズムは、なぜ超国家主義へと突き進んだのか?敗戦の翌年、日本軍国主義の精神構造に真っ向から対峙し、丸山の名を高めた表題作。他に、冷戦下でのマルクス主義とマッカーシズムについてなど、著者の原点たる戦後約一〇年の論考を集成。 目次 1 日本のファシズム(超国家主義の論理と心理;日本ファシズムの思想と運動;軍国支配者の精神形態) 2 戦後世界の革命と反動(ファシズムの現代的状況;E.ハーバート・ノーマンを悼む;「スターリン批判」における政治の論理;反動の概念―ひとつの思想史的接近) 3 現代世界への基礎視角(ナショナリズム・軍国主義・ファシズム;現代文明と政治の動向)
ホーム > 電子書籍 > 教養文庫・新書・選書 内容説明 日本ナショナリズムは,なぜ超国家主義(ウルトラ・ナショナリズム)へと突き進んだのか? 敗戦の翌年,日本軍国主義の精神構造に真っ向から対峙し,抑圧が下位に移されていく「抑圧委譲の原理」,それゆえの「無責任の体制」などを鋭く指摘し丸山の名を一躍高めた表題作.他に,冷戦下でのマルクス主義再検討など,著者の原点たる戦後10年の論考を集成. 目次 目 次 凡 例 Ⅰ 日本のファシズム 超国家主義の論理と心理 日本ファシズムの思想と運動 軍国支配者の精神形態 Ⅱ 戦後世界の革命と反動 ファシズムの現代的状況 E・ハーバート・ノーマンを悼む 「スターリン批判」における政治の論理 反動の概念──ひとつの思想史的接近── Ⅲ 現代世界への基礎視角 ナショナリズム・軍国主義・ファシズム 現代文明と政治の動向 解 題 解 説(古矢 旬) 原 文 注 補 注 編 者 注
本書を読み、問題点を2点ほど感じることができました。 まず、まさに今の日本政治は危機的状況であり、歴史は繰り返されると危機感を持ちました。以下の「ナショナリズム・軍国主義・ファシズム」からの引用を読んで、どう感じますか?